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スクワラン・スクワレンの効果効能、スクワラン・スクワレンのチカラ

スクワラン・スクワレン、原材料は深海に住む鮫の肝油紫外線量の増加、大気汚染、湿気や乾燥などの自然環境、食の問題やストレスといった生活習慣など、今私たちの肌をとりまく環境は過酷といっても過言ではありません。多くの女性が日々使用するスキンケア用品や化粧品。肌を守り、美しくするためのさまざまな成分を配合しながらも肌に優しい自然由来のものが人気を集めています。

そんな中、今注目されているのがスクワランという成分。紫外線や乾燥などから私たちの肌を守る「皮脂膜」にもともと含まれている成分です。1959年頃から大手化粧品メーカーの高級化粧品に使われ始め、今では乳液、ファンデーション、口紅など美容関連のあらゆる商品に使われています。そしてもうひとつ、サプリメントとしての活用が注目されているスクワレン。どちらも原材料は深海に住む鮫の肝油。さらりとして透明で無色、無臭の油です。

スクワランとスクワレン、よく似た名前ですが持っている力が違い、それぞれの効果効能が注目されています。飲んで肌に塗って得られる驚きの機能性を解き明かします。

スクワランとスクワレン、それぞれの役割と効果効能

紫外線や乾燥、さまざまな刺激に絶えずさらされているのが私たち人間の皮膚です。人間の皮膚は厚さおよそ0.2ミリの表皮に覆われており、この表皮の一番外側にあるのが皮脂膜です。皮膚から出る油と汗の水分が交じり合い、天然のクリームとなって肌を守っています。その皮脂の中にスクワランやその元になる成分スクワレンが含まれています。

人の表皮の構造 皮表皮脂量の加齢による変化 皮膚への浸透性比較

普段食事を通して摂取している、糖質、脂質、タンパク質は体内で分解され、アセチルコエンザイムAとなり、それがさらにファルネシルニリン酸へと変化、そこからスクワレンができます。スクワレンは、私達人間の体のあらゆる臓器に存在していることが確認されています。そのなかでも、最も多く含まれているのは脂肪組織です。代謝経路で使用されなかったスクワレンが表皮に分泌され、その一部が水素添加されることにより皮脂膜の成分になるスクワランとなります。スクワランとはこのスクワレンが体内で水素化されたものです。スクワランもスクワレンと同様に、皮脂腺から分泌されます。

スクワラン・スクワレンの原料

スクワラン・スクワレンの原料となる肝油がとれるアイザメ

長年、高級化粧品に使われてきたスクワラン。その原料となるのは水深約200メートルから1000メートの深海層に生息する深海鮫の肝油です。世界でも50種類ほど存在し、漁場も幅広く分布しています。深海鮫の中でも肝臓が大きく、肝油の量も最も多いのがアイザメです。二本の背びれの前に角が一本ずつあり、尾びれがくびれているのが特徴です。体調は1メートルほどで、体重は、一般的には10kg前後あります。

肝臓の約90%が肝油で、その肝油の80から90%がスクワレンという、非常に貴重な深海鮫です。東南アジアでは古くから鮫の肝油そのものを健康のために飲用してきたといわれています。

スクワランは私達に様々な効果をもたらしますが、口からサプリメントとして摂取する場合は、元々のスクワレンが用いられます。スクワレンを摂取することによって体の各部位のスクワレンの量が増え、肌に潤いを与える効果があります。化粧品などに用いるのはスクワラン。化粧品にスクワレンが使われないのは、不安定で酸化しやすいためです。化粧品等に使うには酸化を防がなければいけないため、スクワレンから水素を添加してスクワランにします。

加齢とともに肌の油分や水分バランスが崩れ、細胞の代謝の活性が衰えてきます。スクワランは細胞の代謝の活性を促す効果があるため、肌の表面や内部を潤す重要な素材とされているのです。スクワランの皮膚への浸透性は水と比べると良くわかります。手の甲に水をスポイドで垂らすと、丸く盛り上がり、時間がたっても皮膚にしみこんでいくような様子もありません。次にスクワランを垂らしてみると、水とは対照的にあっという間に皮膚に浸透していきます。このように、すばやく皮膚に浸透することでハリや潤い、しっとり感をもたらす効果があります。

この皮膚に浸透していく力はスクワランの大きな作用の1つであり、スクワランを塗布することにより皮脂膜機能を正常に整えることができます。皮脂膜の機能には、外部から異物が入ってくるのを防ぐバリア機能、発汗による体温調整機能のほか、皮膚の保湿性を保つ機能があります。

研究・開発が進むスクワランとスクワレン

化粧品としてのスクワラン・サプリメントとしてのスクワレンハーバー研究所食品開発部では鮫の肝油から採ったスクワレンを精製してサプリメントにつめる研究をしています。健康に良いとされるスクワレンに、さらにビタミンAやE、コエンザイムQ10をあわせてより効果の高いサプリメントの開発も進めています。もともとの体内のバランスを崩さない処方に着眼しているといいます。

スクワレンの酸化しやすい弱点を取り除いたスクワランは皮膚の角質の柔軟作用があります。また、スクワランは油の中でも酸化安定性が高く、肌への負担が少ないため安全です。さらに浸透性が優れているため、他の有効成分も浸透させる効果が認められます。鮫の肝油から採ったスクワレン、それを安定化させたスクワラン。よく似た名前ですが、まったく異なる効果を持ちます

スクワラン・スクワレンの効果効能、人のチカラ

日本人が貢献したスクワレン・スクワランの研究

スクワレン研究の第一人者、辻本満丸博士の手帳茨城県つくば市の産業技術総合研究所で、およそ100年前、1906年(明治39年)、辻本満丸(つじもとみつまる)博士が、サメの肝油から未知の成分「スクワレン」を見つけました。辻本博士は東京工業試験場の油脂科学者としてスクワレンの研究に打ち込み、海外でもその研究を発表しました。その結果、多くの研究者がスクワレンの研究を開始したのです。研究所には博士の研究手帳が残っています。

研究や実験の内容が几帳面に記録されている手帳。整理された手帳のナンバーに、博士の研究に注いだ情熱が感じられます。さらに、当時研究した鮫などの標本も残っています。およそ40年間にも及んだ博士の世界的研究業績が凝縮されたかのような資料。スクアレンの名前をつけたのも辻本博士で、アイザメは当時タロウ鮫と呼ばれていました。このように、今日の美容オイル「スクワラン」は日本人によって生み出されたのです。

安心・安全な化粧品としてのスクワラン

スクワランを使った化粧品の製造をおこなっている北海道苫小牧市のハーバー北海道工場ではおよそ80名の従業員が製造作業に従事していますがその8割が女性だそうです。工場に女性従業員が多い理由のひとつは、細かい作業が多いため、手先の器用さが求められるためだといいます。さらに、作業をする上で気配りが大事になってくるそうです。こうした理由から、工場の社長である小柳典子さんは、化粧品の製造には女性が向いていると判断しています。工場では従業員同士が声を出しながら作業を進めています。工場内で最も重要だとされる確認作業。声を出し確認することで作業にリズムができ、効率が良くなるのだそうです。

スクワランという人に安全な原材料を用い、無添加主義という本当に肌によいものだけを作るという化粧品作りへのこだわりがそこにはあります。防腐剤を一切使用しないため、製造過程で菌が入り込まないよう、工場内の衛生管理を徹底しています。さらに工場内では、製造工程で高い品質を維持するための検査が数回行われます。調合材料は72時間寝かして検査をすることでより高い安全性を目指しています。消費者により安心、安全なものを届けることを目標とし、日々作業を行っているそうです。

安心・安全なスクワランを出荷するまで

スクワラン・スクワレンの効果効能、真・新のチカラ

スクワレン・スクワランの新しい可能性

スクワラン・スクワレンの効果効能を生かした新たな開発生物が進化し今の人間の姿になる過程で、皮膚を紫外線などの外敵から守っていた体毛がなくなりましたが、その代わりの役割を果たしているのがスクワランだといいます。スクワレンは体内で人の体を守っており、スクワランは表で守っているという、人間の安全にとっては非常に重要な成分なのです。

近年の研究の結果、スクワレンのサプリメントとしての新しい可能性は見出されてきました。慢性肝炎の患者への投与ではGOT、GPTなど肝機能の改善が認められたのです。また、スクワランの新しい可能性も明らかになってきました。現在、やけどの治療や乳房マッサージ、妊娠線マッサージに効果があると期待され、その研究が進められています。スクワランは皮膚をやわらかくするエモリエント性があるため、摩擦で痛んだ皮膚表面をケアする作用が注目されており、おむつかぶれや床ずれなどにも有効性が認められています。また、スクワレンは他の成分との相性がいいことがわかっており、人の肌に効果のある成分を生薬からもってくる研究のほか、生活習慣病予防のために調理用油への応用にも挑戦しているといいます。自然に、人にやさしい原材料スクワラン。化粧品としてサプリメントとして、また新たな可能性へ向けた挑戦が始まっています。