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葛の花エキスの効果効能、葛の花エキスのチカラ

葛の花から抽出した葛の花エキス夏から秋にかけて花を咲かす葛。

「葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を 行きし人あり」

これは、釈迢空(しゃくちょうくう)の名で知られる歌人、折口信夫(おりくちしのぶ)の詩で、誰も通らないような山道で誰かに踏みにじられても鮮やかな色を残す葛の花を見つけた作者の心情を詠ったものです。ひっそりと山野に咲くその花に秘めたチカラが存在していたとは、釈迢空も知らなかったことでしょう。

私たちに馴染み深いのは、食用の葛粉や風邪薬の葛根湯として利用される根っこの部分。しかし、中国に古くから伝わる書物「名医別録」には、「葛の花は酒を消す」と、二日酔い予防などの効果が記されていたそうです。水戸光圀が二日酔いに悩まされていたという逸話もあり、その苦しみを癒してくれたのが葛の花だったとも言われています。

近年、明らかになってきた葛の花エキスの効果効能。研究員は葛の花エキスにはさまざまな可能性を感じるといいます。葛の花エキスには体脂肪減少効果があることが確認されている上、葛の花エキスの働きにより、内臓脂肪・皮下脂肪ともに大きく減少することがわかっています。葛の花には、踏みにじられても品格のある若い色を保つ生命力があり、その花に秘められていた自然のエキスに、今注目が集まっています。

古くから親しまれてきた葛の花

日本人の暮らしに深く関わってきた葛

和菓子などで使われる『くず粉』・発汗や解熱作用があるとされる『葛根湯』

古くから、日本人の暮らしに深く関わってきたとされる葛。根っこの部分は、和菓子などで使われる『くず粉』といった食用や、発汗や解熱作用があるとされる『葛根湯』などの漢方として、また丈夫な蔓は、縄や籠、さらには衣服などの日用品として、そして葉っぱは家畜の飼料として利用されてきました。

紅紫色の美しい葛の花は、古くから人々の目を楽しませてきました。日本最古の歌集『万葉集』の中にも、葛の花を取り上げた歌はいくつかあります。

山上憶良が詠んだ歌

これは、山上憶良(やまのうえのおくら)が秋の野に咲く花々を愛でて詠んだ歌です。『秋の七草』の一つとして今日まで親しまれてきた葛の花。しかし、豊作といった行事や無病を願った『春の七種』と違い、『秋の七草』はあくまでも眺めて楽しむものとして捉えられ、葛の花に秘められた機能性は、葉っぱや蔓の影に隠れて人々に気づかれずにいました。

葛の花から抽出した独自素材「葛の花エキス」の研究・開発が進められてる東洋新薬鳥栖本部。研究員は、葛の花の研究は発見の連続だといいます。葛の花エキスには高麗人参や大豆、オリーブなど、主に植物に存在するサポニンが含まれています。サポニンは、水と油脂に対して界面活性剤として働き、血中脂質を下げる働きがある成分。さらに、葛の花には大豆にも含まれるイソフラボンも確認されました。女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることから「植物性エストロゲン」といわれ、不足した女性ホルモンを補うと思われます。

「酒を消す」効果を持った葛の花エキス

中国では古くから「葛の花は酒を消す」と伝えられ、二日酔い予防などで利用されてきましたが、日本にも元禄の時代に葛の花の機能性に注目する人物がいました。その人物は無類の美食家であると同時に、酒好きとしても知られていた水戸黄門こと水戸光圀です。光圀の命で作られた、薬草の処方を記した書物『救民妙薬(きゅうみんみょうやく)』にも「酒毒には、葛の花かげぼし、粉にして用いてよし」と記載されていたそうです。水戸光圀が二日酔いに悩まされていたという逸話もあり、そんな苦しみを癒してくれたのが葛の花だったそうです。光圀への献上品として、葛と梅酒を一緒に贈る者もいたと言われており、その効果について身を持って知っていたと思われます。

葛の花エキスの二日酔い予防作用葛の花エキスの肝臓機能保護作用

実際にアルコールの摂取と同時に緑茶飲料と葛の花エキスを摂取するという実験を行ったところ、葛の花エキスには、血中アルコールの上昇を抑制する働きがあることが確認されました。もともと日本人は酒に弱い種族だと言われていますが、酒に強いか弱いかは、アルコールを分解する酵素にあるそうです。酒を飲んだ際に、顔が赤くなったり、頭痛がしたり、気持ち悪くなるのは体内に入ったアルコールが分解されて変化した『アセトアルデヒド』と呼ばれる物質が原因です。日本人にはこの物質を分解するための酵素を持たない人が半数近くいるため、お酒に弱い人が多いといいます。一方、欧米人はほぼ全員この酵素を体内に持っているといわれています。葛の花エキスにはアセトアルデヒドの上昇を抑制し、悪酔いや二日酔いを抑える効果が期待されています。

葛の花エキスには肝臓への効果も確認されました。肝臓の状態を知るための指標となるのが、GOTとGPTと呼ばれる肝細胞の中に存在する酵素です。GOT、GPTという酵素は、肝細胞が損傷を受けて破壊されると血液中に流れ出ます。そのため、血液検査において肝障害の指標として測定します。

東洋新薬鳥栖本部では、アセトアルデヒドを投与する前のGOTとGPTを100%として投与後と比較する実験を行いました。葛の花エキス、大豆イソフラボン、ウコンと、何も摂取しない場合の血中のGOTとGPTの変化率をそれぞれ比べたところ、葛の花エキスを摂取した血液中のGOT・GPT変化率が最も抑えられたと確認されました。この結果からも、肝臓を保護し、機能を改善させる働きに期待できるといえます。

葛の花エキスの効果効能、人のチカラ

葛の花エキスの秘められたチカラに注目した人々

葛の花エキスに含まれる成分中国を代表する明時代の薬物書の「本草網目」日本で葛の花の肝機能改善作用などが解明されたのはごく最近です。胃腸薬を中心にOTC医薬品を製造販売する株式会社太田胃散は,1986年より葛の花の共同研究に取り組み,肝機能改善作用やアルコール代謝改善作用など様々な効果を確認しています。中国を代表する明時代の薬物書の"本草網目"には、酒毒を消す薬物として葛の花が第一番目に記載されていますが、当時は葛の花の機能性に注目する研究者はほとんどいなかったそうです。天然薬物学の分野でさまざまな研究成果をあげている、熊本大学薬学部、福岡大学薬学部で成分研究を行った結果、イソフラボンやトリテルペノイドサポニンを高濃度に含有している事が判明し健康素材として優れたものであることが確信されました。さらに,葛の花を抽出加工したエキスについて変異原性試験や毒性試験が行われ、その安全性が確認されています。

さらに葛の花エキスの機能性の研究は進められ、アルコールに対する有効性の試験が行われました。その結果、アルコールの代謝促進効果やアルコールによる肝臓障害の予防作用、また、アルコールによる胃炎の予防作用が確認されました。アルコールを飲んだ時の物忘れにも改善効果があるといいます。先人から伝えられてきた効果が現在の研究技術によって実証されたのです。葛の花エキスにはホメオスタシスと呼ばれる、生体の恒常性を維持する免疫系や内分泌系を調節する成分も含まれており、葛の花に秘められた機能の解明のため、さらなる研究が行われています。

葛の花エキスを主成分とした肝臓保護飲料の発売をキッカケに、健康食品業界への本格的参入を果たした太田胃散は2004年、葛の花エキスの原料供給の拡大を目的に、素材開発やメーカーとして知られる東洋新薬に葛の花エキスの販売権を独占的に移管しました。その後、葛の花エキスの機能性が人々に広く知れ渡ることとなりました。独自素材の開発や、トクホの許可取得にも力を入れる東洋新薬は、設立10年余りでトクホの許可取得件数が100件を超え、その存在は一気に業界内外へと知れ渡ります。

メタボリックシンドロームなど、市場が求める分野に対応した開発を行う上で、人々の健康に寄与したいという思いと、葛の花エキスの機能性がマッチした、と東洋新薬の社長は語り、葛の花エキスの研究・開発を行う社員の背中を力強く押します。葛の花エキスに眠る機能性を如何に発揮させてあげられるか、またそのためには、どんな小さな可能性にも全身全霊をかけて取り組む方針を固めています。葛の花エキスの研究には、他の素材にない可能性やおもしろさがあるそうです。

安心・安全を支える葛の花エキスの品質管理

安心・安全を支える葛の花エキスの品質管理葛の花エキスを抽出は乾燥させた葛の花を釜で煮ていくことから始まります。煮ることで必要なエキスをより引き出し、純度の高いものをつくりだすことができます。工場ですべての工程は行われ、乾燥作業の後、葛の花エキスが完成します。自然の素材を扱うということは、当然安全性に最も力を入れなければなりません。葛の花の新しい機能がどんどん見つけられていく中で、工場の品質管理員は、品質の検証をして、消費者に届けるのが仕事だといいます。安全・安心を守るスペシャリストとされる品質管理の仕事は、決して華やかな仕事ではなく、決められた検査項目を愚直に実行し、消費者が安心して食せるものであるかを判断しています。日々業務に取り組むことでわずかな違いにも気がつくことができ、食の安全・安心を支えている仕事といえます。さらに健康に対する熱意は、他の研究機関や大学の研究室などとの共同研究への取り組みにも繋がります。

葛の花エキスの効果効能、真・新のチカラ

広がる可能性に期待が高まる葛の花エキス

葛の花エキス摂取による肥満改善作用数多くの学会で発表される葛の花エキスの新たな機能。その中でも、2007年に発表された葛の花エキスの抗肥満作用に期待が持たれます。お茶の水女子大学生活環境センターで脂質代謝学などを専門としている近藤和雄教授は東洋新薬と共同で葛の花エキスの研究に取り組んでいます。

最近良く耳にするメタボリックシンドロームは、ウェスト周りの測定値と、血糖値・血圧・血中脂質の3つの項目のうち2つ以上に該当する人を言いますが、心筋梗塞や動脈硬化等の恐ろしい病気の強力な引き金になるため、近年、人々に懸念されています。メタボリックシンドロームの根幹は、内臓脂肪。内臓に脂肪が蓄積すると、アディポネクチンという蛋白の血中濃度が減り、結果として耐糖能異常、高血圧、脂質代謝異常症の発症リスクが高まります。メタボリックシンドロームの予防には、耐糖能異常、高血圧、脂質代謝異常症の発症リスクを低減してあげること、さらに根幹にある内臓脂肪を減らすことが大切です。

昨年行われた臨床試験において、葛の花エキスに体脂肪低下作用があることも確認されました。体脂肪減少効果が確認されたということは、その先、糖代謝、脂質代謝の改善、血圧の改善ということが十分に期待できると考えられています。葛の花エキスを4ヶ月間摂取してもらい、摂取前と摂取4ヵ月後の胴回りの脂肪の状態を比較する実験で、胴回りの脂肪の状態をCTスキャンで確認したところ、明らかな体脂肪率の低下が確認できました。

葛の花エキス製品の開発葛の花エキスの研究が進む中、新たな展開の企画もすすんでいます。葛の花エキスの2大機能として、二日酔いなどの肝機能改善作用、体脂肪低下作用が確認されています。全く関連性のないと思われるこの二つの機能ですが、東洋新薬の橘さんはその機能性を生かした開発を企画したいと考えているそうです。アルコールにより食欲が増進された際の食べすぎに効果のある製品など、葛の花の機能は様々な製品に役立てられそうです。

多くの人に受け入れられる味を見つけ出すため、試行錯誤が繰り返されています。葛の花エキスとハチミツを混ぜ、味がまろやかになり飲みやすくする工夫などもされています。東洋新薬は葛の花エキスを様々な成分や素材と組み合わせて、新しい展開を考えだしているといいます。葛の花エキスは水に溶けやすく、活用の幅は広がると期待されています。

肝機能改善作用や体脂肪低下作用などの機能をもった自然素材は、ごく身近なところに存在していたのです。葛の花エキスの効果効能は、肝臓を保護し、機能を改善させる働き、アルコールの代謝促進効果やアルコールによる肝臓障害の予防作用、また、二日酔いを防ぎ、アルコールによる胃炎の予防する作用のほか、体脂肪減少効果が確認されています。さらに体脂肪減少効果が確認されたことで、その先、糖代謝、脂質代謝の改善、血圧の改善効果が期待されています。何世紀もの時を経て、人々はその花に隠れていた本質にようやく気づきました。自然の恵みと人の技術が合わさった機能性素材が今、華麗な花を咲かせています。