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ホスファチジルセリンの効果効能、ホスファチジルセリンのチカラ

現代人の抱ええる脳の悩み様々なストレスを抱えている現代の人々。近年「脳年齢」や「脳トレ」などが流行し、人々の脳への関心が高まっている一方、脳の健康を意識している人は少ないのではないでしょうか。

ホスファチジルセリンは、人の脳細胞にもともと含まれる成分です。近年では、脳の活性化に期待がもたれ、注目を集めています。ストレスの緩和や認知症の改善、うつ病の軽減など様々な効果が期待されているため、高齢化を生き抜くために必須のサプリメントといえるでしょう。

脳の健康の鍵を握る成分、ホスファチジルセリン

市場を広げるホスファチジルセリン

海外のホスファチジルセリンサプリメント世界ではすでに有名なホスファチジルセリン。海外ではその効果が高い評価を得ており、特に欧米では大きな市場を確立し、急成長を遂げています。アジアやオーストラリアでは比較的市場が小さいと言われていますが、近年、日本でもホスファチジルセリンを広める活動が行われています。

東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科農学博士であり、健康・長寿研究談話会(旧ホスファチジルセリン研究会)会長である矢澤一良教授は、身体・脳・心のいずれも健康であることが、真の「健康」の定義であると言います。脳の健康、心の健康を維持する食品として、ブレインフード(脳の栄養素)という言葉を作った人物です。ブレインフードの代表ともいえる、DHAの研究の第一人者でもあります。DHAの研究を進める中で注目したのがホスファチジルセリン。DHAと同様に脳の中に非常に多い成分であるため、脳の健康の鍵をにぎる成分だと確信し、研究を開始しました。

脳の栄養素、ブレインフード脳の活性化に期待がもたれるホスファチジルセリンですが、その正体は細胞膜を構成するリン脂質の一種。しかし、すべての細胞膜にホスファチジルセリンは含まれているわけではなく、細胞膜の全リン脂質中の約2%、脳細胞に関しては約20%となっています。脳細胞に極端に多く含まれるため、脳の機能に重要な役割を果たす成分として、その可能性が注目されました。欧米を中心に3千以上もの研究論文が発表されました。数多く存在するサプリメントの中でも、これだけ多くの研究データが存在する成分は多くありません。

ホスファチジルセリンの正体

ホスファチジルセリンが注目されている背景には高齢化社会の現実の姿があります。高齢化社会を迎え認知症の患者が増えたことが社会的、また医療経済的に大きな負担となっています。厚生労働省の調べでは現在の日本人の平均寿命は、男性が79.2歳、女性が86歳と、年々伸び続けています。その中で、認知症の患者は実に200万人存在すると言われています。認知症は年齢層が上がるほど有病率が高くなるという傾向があります。このまま高齢化が進んでいくと、認知症の患者数が加速度的に増加するといわれ、2015年には300万人、2040年には400万人に達すると予想されています。近年研究が進み、アルツハイマー病の原因が少しずつ明らかになってきました。その主な原因とされているのがアミロイドの蓄積。その現象を防ぐためにも日々健康な生活を心がける必要があると言います。適度な運動はもちろんのこと、食生活は健康を大きく左右します。バランスの良い食生活を送るためにも不足している栄養素をサプリメントで補う必要があります。

アルツハイマーの原因とされているアミロイドの蓄積

脳細胞のネットワークを繋げる役割を果たすシナプス。記憶を作るとされるシナプスの機能を高めるのがホスファチジルセリンです。シナプスは神経伝達物質のひとつであるアセチルコリンを出し、その量が記憶力を左右します。ホスファチジルセリンを摂取することにより、加齢と共に減少したアセチルコリンを増やす作用があることが確認されています。高齢化社会を生き抜くために、ホスファチジルセリンは必須のサプリメントだと言えそうです。

ホスファチジルセリンの効果効能、人のチカラ

安全な原料から製造されるホスファチジルセリン

健康・長寿研究談話会(旧ホスファチジルセリン研究会)の活動 高齢化社会を迎えた日本の課題

眼球の構造高齢化社会を迎えた日本は、脳や神経に関する研究・開発は重要な課題といえます。健康・長寿研究談話会(旧ホスファチジルセリン研究会)はホスファチジルセリンの研究を進める各分野の研究者が、情報を活発に交換し、討議する場を提供しようと2003年に発足しました。高齢者の抱える病気を一時予防、また若いうちから健康を維持し、高齢になってからも病気にかかることなく長寿をまっとうすることができるようにするにはどうしたらよいか、健康と長寿について日々研究、議論を交わしています。

サプリメントの原料として使われてきたのは、牛の脳から抽出される動物性のホスファチジルセリンですが、1990年代の狂牛病の影響により牛の脳を原料としたホスファチジルセリンにも懸念の声が生じました。一方、1992年にイスラエルの企業が大豆レシチンからの酵素法生産に成功し、以来、大豆を原料とした植物性のホスファチジルセリンが主流となりました。さらに日本でも、2001年に大豆からホスファチジルセリンの酵素法による生産技術が確立され、大量生産が可能となりました。

日本でホスファチジルセリンを製造している日油株式会社では、大豆の原料から抽出・濃縮した大豆レシチン(ホスファチジルコリン)に、セリン・水・酵素を加えることでホスファチジルセリンを精製しています。これらを専用の機械で混合することにより、ホスファチジルコリンが酵素の触媒作用でホスファチジルセリンに変換されます。

日油株式会社では酵素を使った、リン脂質の酵素変換の研究を行っています。社内での開発、研究が進む中、製造においては安心・安全なもの作りを心がけているといい、不純物、異物の混入をなくすために細心の注意を払っています。

ホスファチジルセリンの製造

ホスファチジルセリンの効果効能、真・新のチカラ

ホスファチジルセリンのもつ高い機能性

今、社会的な問題の一つが「ADHD」という脳機能の障害です。注意欠陥多動性障害という意味を持つADHDは注意力、集中力が弱く、さらに落ち着きがなく計画的に行動できないという症状が見られます。脳機能の活性化の効果があるといわれているホスファチジルセリンはADHD症状にも効果的だということが近年わかってきました。1日200mgのホスファチジルセリンを2ヶ月間摂取した結果、症状の改善が認められると言う実験結果も出ています。さらに、1日ホスファチジルセリン100mgを3ヶ月摂取した実験では、3ヶ月目に顕著な改善の結果が見られました。大豆を原料にしたホスファチジルセリンは副作用がないため安心して使用できると言います。

ホスファチジルセリンのADHD症状改善作用

大きな可能性を秘めたホスファチジルセリン結合型DHA

ホスファチジルセリンと同様にDHAも脳細胞にたくさん含まれ、脳機能に対して重要な役割を果たしています。近年では、ホスファチジルセリンとDHAを結合させ、さらに高い効果をもたせる研究が進んでいます。ホスファチジルセリンとDHAの結合したタイプでマウス脳機能に対する実験を行った結果、何も摂取しない場合、魚油DHA摂取の場合にくらべ、ホスファチジルセリン結合型DHA摂取の場合が一番優れた結果を出しました。

ホスファチジルセリン結合型DHAの脳機能に対する効果

DHAと結合したホスファチジルセリンの機能性には多くの研究者が注目しています。魚の残債に多く含まれるこの成分は、ハイブリッド型と呼ばれ、ホスファチジルセリンとDHAの両方の効果を結びつけ、より機能性の高いものを生み出す研究が行われています。さらに、鶏の餌に魚のDHAを混ぜ与えることで、鶏の卵の卵黄にもDHA結合型ホスファチジルセリンを含ませる、という研究も行われています。

ホスファチジルセリンの脳機能改善への有用性は様々な研究で立証されてきました。その改善のメカニズムはこれからの研究で明らかになっていくことでしょう。加速度的に進む高齢化社会の中で、ホスファチジルセリンの果たす役割は人類の永続的な繁栄につながる重要な鍵になるのかもしれません。