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アポラクトフェリンの効果効能、アポラクトフェリンのチカラ

抵抗力が備わっていない生まれたばかりの赤ちゃんの体を守るのは、お母さんの母乳に含まれる豊富な栄養成分と免疫物質です。その中でも、特に高い機能を持っているといわれているのがラクトフェリンと呼ばれるたんぱく質の一種です。そのラクトフェリンを進化させた新素材、アポラクトフェリンに今、注目が集まっています。

ラクトフェリンとは「牛乳」を意味するラクトと「鉄と結びつく」という意味のフェリンを合わせたこの物質は、出産直後の母親の初期母乳に多く含まれています。母乳以外にも、涙や唾液、血液など、私たち人間の分泌物にもともと存在する物質であり、その安全性はもちろん、優れた機能性が注目を集め、1939年の発見以来あらゆる機関で研究が重ねられてきました。鉄と結びつくチカラを持つラクトフェリンの性質が、自らの成長に鉄を必要とする細菌の殺菌・静菌作用に役立つといわれている上、活性酸素の抑制や腸内細菌の保護や育成にも期待がもたれています。

そのラクトフェリンを長年研究し、2004年に開発されたアポラクトフェリンは、ラクトフェリンよりもさらに優れた鉄吸収能力により、格段に高まった抗菌作用やカビなどに対する働きの他、ラクトフェリンでは利用不可能だった目などのデリケートな部分にも利用できることでドライアイへの作用などにおいて、近年その多様性に注目が集まっています。最近になって、アポラクトフェリンは私たちの身近な問題となっている生活習慣病に大きく関わる物質AGEs(エージーイー)への作用も明らかになってきました。2008年9月からアポラクトフェリンを使用したサプリメントの販売が日本でも本格的に開始されました。体を守る天然成分ラクトフェリン。そして、長年の研究によって開発された新たなチカラアポラクトフェリン。その神秘の能力に迫ります。

生命維持に必要不可欠なラクトフェリンを進化させたアポラクトフェリン

ラクトフェリンの効果効能 赤ちゃんの皮膚は薄いためほんのりと赤く色づいていますが、泣いたり興奮すると、その赤みはさらに増します。そんな赤い肌の色から「赤ちゃん」と呼ばれるようになったという説もあります。お母さんのお腹の中の無菌状態で守られてきた赤ちゃんは、生まれてすぐに細菌やさまざまな刺激にさらされます。この小さな体を守ってくれるものが母乳。母乳は赤ちゃんにとっての唯一の食事であると同時に、自分の体を守ってくれる大切な命の恵みです。

母乳は赤ちゃんの生命維持、発育のために必要不可欠な水分、糖分、たんぱく質などの成分が含まれています。さらに母乳はたんぱく質の中でも特に栄養価の高いとされているラクトフェリンが豊富に含まれていることがわかっています。ラクトフェリンは鉄を結合するタンパク質で、体内での鉄の代謝において非常に大きな意味を持っています。

1939年にヨーロッパの科学者が牛乳の中に赤い色をした物質ラクトフェリンを発見し、その優れた機能が注目され、あらゆる機関で研究が続けられてきました。ラクトフェリンはその色から赤いたんぱく質と呼ばれてきました。また、生まれたばかりで抵抗力のない赤ちゃんが母乳によって元気に育つことからも、母親の母乳に含まれる成分の研究も同時に行われ、母乳内にもラクトフェリンの存在が確認されました。

ラクトフェリンの体内での働き

鉄分は血液に多く含まれているほか、体内で筋肉を作る役割や、さまざまな組織を作る働きを持っています。その鉄分を運んでくるたんぱく質がラクトフェリンです。ラクトフェリンが乳汁中に多く含まれているのは、赤ちゃんの成長発育に鉄分が必要とされるからだといわれています。ラクトフェリンは消化管の感染症を防ぐ効果があり、母乳を飲んでいる新生児は、感染症、特に消化器感染を起こしにくいことが知られています。細菌やウイルスも生命維持のために鉄を必要としますが、ラクトフェリンが体内で鉄を結合するため成長できず、排出されます。さらに、ラクトフェリンには抗菌、生菌のほか、さまざまな作用が確認されています。

ラクトフェリンは人間だけでなく、ほとんどの哺乳類の乳中にも含まれているそうですが、やはり人間の母乳と牛の母乳は相同であっても同一ではないといわれています。また、ラクトフェリンは熱に弱い性質をもつため、加熱殺菌された市販の牛乳では本来持つラクトフェリンの活性を期待することは出来ないそうです。

アポラクトフェリンは長年の研究の末、開発された期待の成分

私たち人間と哺乳類が存在する上で欠かすことのできなかった物質といえるラクトフェリンですが、そこに人類の叡智が組み合わさり開発されたのがアポラクトフェリンです。アポラクトフェリンは淡いピンク色をしたラクトフェリンの色とは異なり、真っ白い色をしています。

アポラクトフェリンとラクトフェリン

静岡県富士市に、アポラクトフェリンのサプリメントを製造する工場があります。ここにはサプリメントにするため、ニュージーランドで製造されたアポラクトフェリンの原料粉末が運ばれてきます。真っ白いアポラクトフェリンの粉末。ラクトフェリンは鉄と結びつく作用があり、その粉末は鉄を15%から20%含んでいるため、鉄の色であるピンク色が淡く出ています。一方、アポラクトフェリンは鉄含有量が1%から4%であるため、真っ白い色をしています。1960年から科学的な研究が開始され、数多くの科学者がラクトフェリンから鉄を取り除きアポラクトフェリンを抽出することに挑んできましたが、近年までその道が開かれることはありませんでした。

アポラクトフェリンの効果効能、人のチカラ

アポラクトフェリンの研究1960年に科学的な研究が始まって以来、数多くの科学者がアポラクトフェリンの抽出に挑戦して来ました。そして2004年、久留米大学医学部の井上教授の研究チームが6年間の研究の末アポラクトフェリンの開発に成功しました。井上教授の研究チームは特殊な膜を使いラクトフェリンから鉄をとりのぞき、アポラクトフェリンを開発し、2008年にはサプリメントの製造・販売が開始されました。

徹底した品質管理が行われるアポラクトフェリン

日本で開発された抽出法を用いて、ニュージーランドで搾乳された牛乳から、現地でアポラクトフェリンを抽出し、粉末に加工された後、日本の工場に運ばれてきます。この新素材を扱う製品メーカーでは、まずニュージーランドで製造されたアポラクトフェリンの原料の品質検査が行われます。粉末の成分の分析によって不純物が入っていないか確認された後、細菌の検出など、厳しいチェックが行われます。品質検査を終えたアポラクトフェリンの原料粉末は品質登録をされながら仕分けされ、相乗的な作用を得られる他の栄養成分と組み合わされサプリメントとして製造されていきます。サプリメントとなった後も、粒に傷や不良がないか人の目でひとつひとつチェックが行われます。さらに、検出された粒の不良の具合を顕微鏡で細かく確認し、その原因を探るほか、成分試験、溶解度の試験、強度、大きさの確認、食品としての安全性の確認などが数回に渡り行われます。わずか3粒のサプリメントを作るのに、原料で換算すると1リットルの牛乳パックおよそ5000本分に相当する量が必要なのだそうです。

工場で行われる様々な検査

アポラクトフェリンのサプリメント製造

アポラクトフェリンの効果効能、真・新のチカラ

健康的な身体を作るアポラクトフェリン

赤ちゃんに必要なたんぱく質、ラクトフェリン赤ちゃんの成長に必要なたんぱく質などの栄養素を含んでいる母乳には、ラクトフェリンも多く含まれています。ラクトフェリンをとることで消化管の環境が整えられ、免疫力の向上へとつながり、健康的な体になることが期待できます。そのラクトフェリンから鉄を取り除いたことで生まれたアポラクトフェリンは、今後あらゆる分野で期待が持たれています。

ラクトフェリンは鉄を取り込むチカラはとても強い物質といわれていますが、15%から20%の鉄を含んでいるため、鉄を1%から4%しか含んでいないアポラクトフェリンのほうが、さらに強い鉄吸着力を持っています。アポラクトフェリンの鉄を取り込むチカラは天然物質で一番だといわれており、ラクトフェリンにみられた抗菌作用にも更なる期待がもたれます。

アポラクトフェリンの優れた抗菌作用

ラクトフェリンから鉄を徐々に取り出し、アポラクトフェリンに近づけていった場合の大腸菌の生存数を計測しました。20%の鉄含有量を示す通常のラクトフェリンは、60%近い菌の生存が確認されましたが、鉄含有量4%以下のアポラクトフェリンの場合、大腸菌の生存率も10%以下になりました。

アポラクトフェリンの抗菌作用・大腸菌、虫歯菌に対する効果

大腸菌だけでなく、食品を腐らせるマイクロコッカス類や、皮膚や口腔内の病気を引き起こすといわれるカンジダ類、また虫歯菌についてもラクトフェリンよりもさらに有用な作用がアポラクトフェリンにはあると確認されました。就寝前に歯みがきをせずに眠った二人の人間に、翌朝片方には単なる水でうがいをしてもらい、もう片方にはアポラクトフェリンの入った水でうがいをしてもらい、その口腔内の虫歯菌の数を比べた結果、アポラクトフェリンの入った水でうがいをした際の虫歯菌の数が、顕著に減少したことが確認されたそうです。

アポラクトフェリンの殺菌作用・パンを使用した実験さらに別の実験では、生地の中にアポラクトフェリンを混ぜて焼き上げたパンと、何も加えず同じように焼いたパンを、両方14日間常温の中で放置し他結果、何も加えないパンに比べ、1%アポラクトフェリンを加えたパンはカビの発生が抑えられていました。さらには、今まで通常のラクトフェリンでは利用できなかった目への利用もアポラクトフェリンは可能にしました。

生活習慣病とアポラクトフェリン

ほかにもたくさんの機能性が期待できるアポラクトフェリン。今問題となっている生活習慣病に対しても有用なデータが確認され、注目されています。近年話題となっている生活習慣病に深く関わる物質がAGEs(エージーイー)と呼ばれるブドウ糖などの糖分とたんぱく質が結びついた物質。これを体内で吸収させないため、アポラクトフェリンを利用する研究がすすめられています。エージーイーがアポラクトフェリンを結びつきやすい性質を利用して、食事と一緒にアポラクトフェリンを摂取することで、腸の中でエージーイーを捕まえ、そのまま排泄させようというものです。

アポラクトフェリンの血管老化防止作用

ラットを使った実験で、14日間ラットにエージーイーを摂取させると、エージーイーの影響を受けて血管の老化が確認されましたが、アポラクトフェリンを同時に食べさせた場合、血管の老化が抑えられたことが分かったのです。

母乳に多く含まれるラクトフェリンから鉄を取り除いた物質、アポラクトフェリン。さらにアポラクトフェリンと同じ牛乳由来で、AGEsとより強力に結び付く「ホエイ蛋白分解物」というAGEs吸着素材も開発されています。アポラクトフェリンの活用、AGEsの研究は現在さらに進んでおり、今後もますます目を話せない注目の素材です。