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セラミドの効果効能、セラミドのチカラ

皮膚のダメージに大きく貢献するセラミド10月後半から2月にかけては、太平洋側の空気が乾き、肌荒れなどのトラブルが起こりやすくなる、人の肌には厳しい季節。そんな皮膚のダメージに大きく貢献するのがセラミドと言う成分です。

セラミドは皮膚の表面にある角質層を構成している主要な成分で皮膚を外的刺激から守る役割を果たしています。セラミドは水分を保つのに非常に合理的な構成となっています。元々表皮に存在するセラミドですが、化粧品やサプリメントとして肌の健康に重要な役割をはたすことが最近の研究で明らかになりました。期待の保湿成分、セラミドの驚くべき力の真髄に迫ります。

セラミドは人の皮膚を守る角質層の主要成分

セラミド研究会学術集会11月、真冬並みの寒気が流れ込んだ札幌の北海道大学で全国の大学の研究者や、民間企業が集まって、セラミド研究会、学術集会が開かれました。学術集会ではセラミドの最新の研究成果が多数発表されました。これまで個別の研究は行われてきましたが、組織の枠を超えた横断的な集まりは今回が初めてだそうです。化粧品や食品会社など企業の研究発表が続き、海外からのゲスト講演も行われました。この会の会長で座長を務めたのは北海道大学名誉教授の、五十嵐さんです。五十嵐さんは日本のセラミド研究の第一人者としてその生理活性に注目してきた人物です。

表皮の構造

人の体は、厚さわずか0.2ミリの表皮に覆われています。セラミドはその表皮の角質層に存在し、角質層の脂質の約50%を占める主要成分です。また、セラミドは脳の組織の中にも多くみられます。

セラミドの構造のひみつ

セラミドの構造セラミドの原材料を製造するオリザ油化では、米由来のセラミドの商品開発が行われています。 セラミドは人の皮膚を乾燥、紫外線などの外的環境から守る役割を果たしています。 セラミドは脂質の一種ですが、相性の悪いはずの水が同居しています。この独特の構造にバリア機能の秘密が隠されています。セラミドはスフィンゴシンという構造のスフィンゴ脂質のひとつです。スフィンゴシンは、エジプトのスフィンクスの名前が由来で、ふたつのまったく違った性質のものがひとつとなっている構造を意味します。

セラミドの独特な分子構造が、実は生命にとって重要な役割を果たしていると言われています。ひとつの分子の中に水溶性の部分とそうでない部分が共存している不思議な構造を多くの科学者たちが研究してきました。

セラミドと肌の乾燥の関係

東京八王子の東京工科大学の芋川教授は人の表皮にセラミドが存在することを発見した人物です。20年前の化粧品メーカー時代、保湿剤の研究から始まり、研究を続けるうち、角質内に存在するセラミドと分子結合したもう一つの水の存在を見つけだしました。南極の厳しい寒さの中、皮膚をさらすことができるのは、角質の中に結合水と呼ばれる凍らない水が存在し、皮膚を守っているからだといいます。芋川さんは独自の手法を用いて、人の角質内に存在するセラミドの含有量を測ることに成功したことでも知られています。今は、特殊なテープを使用し、研究に参加する人の皮膚の角質を採取するそうです。

加齢によるセラミド量の変化・セラミドのメラニン生成抑制作用

芋川教授は研究により、肌が乾燥している人や乾皮症の人のセラミド量は減っていることを証明しました。様々な年齢層の人たちのセラミドの量を測った結果では、年を取るにつれてセラミドの量が顕著に減っていくことが分かったのです。研究を進める中でさらにわかったことは、セラミド量の減少の最大要因は皮膚の洗浄だということです。

セラミドの美肌作用愛知県一宮市に米由来のセラミドを製造する、オリザ油化の本社があります。研究開発部長の下田さんはセラミドをサプリメントとして摂取した場合の臨床試験や動物実験を行ってきました。特にセラミドの美白作用の研究・実験を行っています。人の皮膚にはメラニン生成細胞というものが存在します。その細胞にセラミドを添加した場合に及ぼす影響を調べています。実験結果では、セラミドの濃度が上がるのに伴い、メラニンの生成が抑えられていることが認められ、よく知られた他の美白成分よりも良い結果を得たのです。

さらに、臨床試験によりセラミドには美白だけではなく、美肌の作用もあることが確認されました。33人の男女の被験者にセラミドを6週間摂取してもらった結果皮膚の水分量が増えたことから、しわが浅くなり、キメが細かくなっていることが確認されたのです。この実験によりセラミドをサプリメントとして摂取することにより美容食品としての可能性が示されたのです。

セラミドの効果効能、人のチカラ

セラミドの研究

安心・安全な米由来のセラミド

愛知県一宮市に本社があるオリザ油化の岡田さんはセラミドの開発当初から研究に携わってきた人物です。当初、セラミドは牛や豚の脳から抽出されていましたが、昨今、研究開発が進み、植物由来のセラミドが市場に普及してきました。オリザ油化は米由来のセラミドを扱っています。

米由来のセラミドの製造

セラミドが製造される工場では、セラミドの原料となる米の生ぬかに抽出液を入れ攪拌し、熱を加えることでセラミドを抽出します。抽出されたセラミドは製品として加工されます。セラミドは水に溶けにくいので乳化機と呼ばれる特殊な機械を使用し、水に溶けやすく加工します。徹底した安全管理のもと作業は進められます。最後は熱風噴霧乾燥機と呼ばれる容器内で、熱風の中に霧状のセラミドを噴き出し瞬時に乾燥させ、セラミドの粉末を生成します。工場では、粉末の他に液体のセラミドも製造されています。

セラミドのサプリメント製造

工場では特に異物混入には注意しているといいます。そのため工場内の設備は管理にもっとも適したものが完備されています。品質管理課では原料の米ぬかや中間生成物、最終製品の全ての工程での徹底した品質管理検査が行われ、常に安全性の高いものを出荷しています。 さらに、工場の研究開発部では、セラミドの新しい機能性を探る為の実験や、他の機能性食品や、原材料の研究も行われています。今でも多くの研究者たちが、セラミドのもつ自然の未知の力を引き出そうとしていました。

セラミドの効果効能、真・新のチカラ

保湿だけではない、セラミドの効果効能

セラミドのかゆみ抑制作用近年、セラミドの肌以外の人への作用についても解ってきました。セラミドには脂肪代謝の制御分子を調整する役割があることも研究により判明したのです。肥満や糖尿病、メタボリックシンドロームへの働きにも期待も高まります。人の健康に、ますます重要な役割が期待できる成分セラミドは脳にも多く含まれる事から、最近は脳への作用の研究も行われているようです。セラミドは人の神経系や脳に多く分布している成分であることから、学習や記憶への作用も期待がもたれ、研究、実験が行われています。また、セラミドはヒアルロン酸やコラーゲンなど他の成分と組み合わせることにより、その効果を促進させる作用があるといわれています。

アトピー性皮膚炎に対するのセラミドの作用について動物実験を行い、セラミドの持つ痒みに対する効果を調べていました。人工的にアレルギー反応を起こさせる物質を投与し、皮膚に炎症反応が起きたマウスに対して、セラミドが及ぼす働きについて計測した結果、セラミドを摂取したマウスはアレルギー反応による痒みが減少したことがわかりました。餌へのセラミドの配合量が多いマウスは、皮膚を引っ掻く回数が減り、セラミドの痒みを抑制する作用が確認されたのです。

新たな機能の発見に期待が高まるセラミド

セラミド研究学術集会東京工科大学の芋川教授も食品として、セラミドのサプリメントの機能性に注目しています。セラミドを食品として摂取することによって、体の内側からの作用に期待がもたれています。化粧品とサプリメントという、人の皮膚の外側と内側からのケアが可能な成分、セラミドの力は、これからもさらに引き出されていくに違いありません。食品としてのセラミドの研究はまだ始まったばかりで、今後新たな機能性が明らかになると期待されています。